読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

玄米の話

食が日々の健康と結びついていることは、なんとなくわかるかと思います。

もちろん、人それぞれ体質があるので、みんながいいというからそれがその人に適しているかどうかはわからない部分はある。

今回は、完全栄養食として玄米を注目してみたい。

明治時代、すっかり西洋かぶれになってしまったことは前に述べた。

特に理論好きなドイツの影響は大きい。

そのくせ日本人は論理的なことを嫌う傾向がある。

玄米はそういう明治の世にあってもアンダーグランドで注目されていた。

西洋医学に反するように、食の大切さに注目さていた人たちが昔からいる。

聞いたことがあると思うが、「マクロビオティック」という言葉。

略して「マクロビ」と言ったりするかもしれない。

18世紀にドイツのクリストフ・ヴィルヘルム・フーフェラントが長寿法という意味合いで使いはじめたものを、日本人である櫻澤 如一(さくらざわ ゆきかず;西洋ではジョージ・オーサワと名乗った)が自然食をもとに健康法を謳って使い始めた言葉である。

櫻澤氏に影響を与えたのが、玄米・食養の元祖である石塚 左玄(いしづか さげん)だった。

左玄は、玄米菜食を基本とした食養を普及・実践する団体「食養会」を創設。

そのメンバーに陸軍騎兵大佐の西端学がいて、彼が、「身土不二(じ)」を掲げ、食養会独自の大原則として広めた。

この左玄の流れを組む細菌学者でもあり医師でもある二木 謙三(ふたき けんぞう)も玄米食を推奨した。

左玄の流れを組む人たちは多く、沼田勇はコレラ予防食事法で功績を上げている。

また、甲田光雄に至っては、玄米から「各人の症状に応じ、食事をいかに少なく摂るか、食べたものをいかにして滞りなく完全に排出するか」に歩を進め、断食へと考えを伸ばしてゆく。

そして現在、自然療法のひとつとして玄米による効能が注目されている。

ところで、歴史的なことをお話したい。

江戸時代。

侍は白米を食べるようになった。

江戸勤めの侍が「江戸患(わずら)い」という病気になることが多かった。

古くから西洋でも長期で遠征する船乗りたちの間で、野菜不足による病気は多くみられていた。

森鴎外(本名を森林太郎)は、小説家として有名だが、軍医としても有名なのだ。

その鴎外が「一日六合の白米」ということを謳った。

有名な先生だから「そうなんだ」と誰もが思った。

信じた軍人たちに脚気(かっけ)が流行った。

脚気といっても今の若い人たちは知らない。

ウィキペディアでは、「(脚気とは)心不全と末梢神経障害をきたす疾患である。心不全によって下肢のむくみが、神経障害によって下肢のしびれが起きる」と記されている。

一説には、日露戦争では戦死者より脚気で亡くなった人の方が多かったといわれるくらいだ。

浅はかなドイツ医学知識が招いた悲劇といえるだろう。

麦や蕎麦を食べていれば、あるいは玄米にしておけば、簡単に解決したのに、食を軽視した意味合いも大きい。

さて、どうして白米をたらふく食べていたのに病気になるのか?

食というのは、栄養にもなるが、毒ともなる。

口から入るものはそういうものが多い。

空気だって、水だって過渡に摂取すれば、体調をおかしくする。

特に薬(西洋医学でのクスリ)は、それ自体飲んでいても栄養になるわけでない。

むしろ毒をもって毒を制すという考えだから、薬は体によいものではない。

ところで、江戸時代も明治時代初期もビタミンなどいう考えはなかった。

1910年(明治43年)になって、鈴木梅太郎という日本人がそのビタミンの最初の発見者と言われる。

しかし人がビタミンを体に摂り入れるためには腸内細菌が介在することがわかっている。

いくらビタミンを摂っても体がまともでなかったら、ビタミンは素通りしてしまう。

人は健康にいいというと摂り入れればよいとだけ思うが、摂り入れる側の問題も考えた方がよい。

特に骨の歪(ゆが)みは血流や骨や筋肉の癒着を招くので注意が必要だ。

運動が大切なのはそこにある。

さて、玄米にお話しを戻したい。

玄米が精白米よりGI値が低いことは前に述べた。

だからダイエットにもよい。

そしてビタミンB群、マグネシウムが多く含有していることが注目される。

ビタミンB群は上記にみたように脚気などの予防となる。

またマグネシウムは骨の健康に役立つといわれている。

自然医療の森下敬一先生によれば、毒素排泄にもっとも効果があるのが玄米という。

ガンの予防もさることながら、ガン治療にも役立つようだ。

また、玄米を食すと、咀嚼(そしゃく)の回数も多くなる。

これがよい影響を与えるようだ。

また、玄米食の効用として、精神にもよいと言う方もおられる。

たくさん食べればいいというものではないが、適量を食すということで、健康が気になる方は一度試してみてはいかがでしょうか?

なお、こういう自然的なものは、すぐに効果は出ないので、3か月あるいは半年くらいは続けいただきたい。

効果がなければ、向いてないということで、断食へと歩を進めてみて下さい。